Sears、カナダから撤退

前回、小売店の明暗を題してアメリカ小売市場の厳しい現状をお伝えさせて頂きましたが、百貨店の中堅大手であるSears(シアーズ)から厳しいニュースが入ってきました。

シアーズとは、イリノイ州シカゴ (1893)に設立された、米国の名門小売販売店です。現在もアメリカ合衆国イリノイ州に本部があり、衣料品、履物、寝具、家具、ジュエリー、美容製品、電化製品、家庭用品、工具、電子機器、事務用品、文具などを販売しています。また、プライベートブランドを持っており、日本で言うところの、イオンやイトーヨーカドーのようなお店です。

 
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老舗のチェーンストアであるKマートが、陳腐化した店舗の更新に失敗するなどの原因で2002年に破産し、会社更生手続によって生まれた新会社Kマートホールディングスの投資家エドワード・ランバートの下で積極策がとられた後、2005年にこのシアーズと合併。両社の持株会社の名称をシアーズ・ホールディングスとして、ウォルマート、ホームデポに次ぐ全米第3位の大手企業となりました。
持ち株会社(代表エドワード・ランバート)として、シアーズとKマートを事業会社として展開、アメリカのならず、カナダ、メキシコにも進出してます。

しかし、アマゾンなどの通信販売が流行っていく中で、シアーズも大きく影響を受けていました。2017年6月22日に、シアーズカナダが同国破産法(日本の民事再生法に相当)の適用を申請、カナダにある全225店のうち不採算な59店を閉鎖し、従業員の17%にあたる2900人を削減するとしました。シアーズは低価格商品を拡充し、低所得者層の取り込みに力を入れている、一部で売上が回復するなど、新たな品揃えが顧客に共振する兆しがあると説明し、保護管理の下、市場でのポジショニングを見直し、17年末までに再建を目指すとしていました。

 
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そう発表していたシアーズですが、通信販売の勢いが増す中一度傾いた経営を立て直すことは厳しかったのでしょうか、2017年10月11日に、シアーズカナダが『残りの店舗や資産を全て清算する』というニュースが発表されました。
同社は清算承認のために、オンタリオの裁判所に申請するとしています。裁判所は10月13日には手続きに入り、承認後精算が行われるようです。6月に破産保護命令を受けた際に閉鎖した、シアーズホーム15店、シアーズアウトレット10店、シアーズホームタウン14店の店舗、フルラインストア20店に加えて、今回カナダに残る約140店舗もすべて閉鎖ということになります。

 
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このように、北米でも小売店は厳しい現状です。

eコマースの圧倒的な勢いに苦戦を強いられている小売店舗は多く見受けられます。共存の道を歩むべく、米シアーズはアマゾンに家電販売を委託するなど対策を進めているようです。

激動の小売店業界、生き残りをかけて各社どのような攻防が続いていくのか、今後も状況を追っていきたいと思います。

水野