SnapchatとInstagram 後編

前回はSnapchat、Instagramについてお話ししましたが、今回はこれらを利用した広告方法についてお伝えしたいと思います。

Snapchatの動画広告はVertical(縦型)・Video(動画)・View(フルスクリーン)の頭文字をとって「3V」と名付けられています。スマートフォンのフルスクリーンを使ったタテ型フォーマットで、かつ100%ビューアブルな状態で表示される点が、広告主にとっては最大の魅力と言えます。動画広告の尺は10秒で、ライブストーリーとディスカバー内のコンテンツの間に挿入されますが、ユーザーは途中で広告をスキップすることもできます。広告は、場所/性別によってターゲティング配信することが可能です。
Snapchatの広告は表示(再生)されるごとに課金対象となりますが、Digidayの昨年8月の記事では、1秒にも満たない "0秒再生(広告スキップ)" でも課金されていることが明らかになっています。Facebookなど他のSNSが課金対象となる表示時間や表示割合に基準を設けているのに比べると、Snapchatの広告はまだ整備が必要と言えます。またSnapchatのディスカバリー内での動画広告の出稿費用は1日で約563万円、ライブストーリーのでは約280万円かかるとも言われており、まだ大手企業向けの広告媒体とも言えます。

広告の種類は、フルスクリーン広告、フィルター・レンズ広告の2種類があります。

フルスクリーン広告は、最長10秒の動画を画面いっぱいのフルスクリーンで流すことができ、スワイプアップをしてWebサイトへの誘導を促すことで、アプリのダウンロード、認知度アップ等の期待が出来ます。フィルター・レンズ広告は撮影した写真や動画に加工する際にスポンサー側が提供するもので位置情報によって異なったレンズ・フィルターを出すことが可能です。

下記のように、TACO BELLが提供している顔がタコスになるようなレンズや、ゲーターレードが提供している上から飲み物が降ってくるようなレンズなど、会社によって様々なレンズ・フィルターがあります。このレンズ広告は曜日によって一日当たりの費用が異なり、日曜から木曜は約540万円、金曜・土曜は600万円、ホリデー期間やスーパーボウル等のイベント日は840万円かかります。
 

 
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(左:フルスクリーン広告、右:フィルター・レンズ広告)

次にInstagramについてです。利用者は20-40代のユーザーが多く、男性よりも女性の利用率が高い事が特徴的です。写真・動画に特化したSNSであるためクリエイティブを重視したマーケティングが行うことが出来ます。Instagram広告は1.写真広告、2.動画広告、3.カルーセル広告、4.ストーリー広告の4種類があり、どの広告も親会社であるFacebookのアカウントさえあれば簡単に出すことが出来ます。作りも近い形になっており、Facebook同様、ターゲットの設定が詳細にできる(年齢層、性別、地域、言語、予算等) ため簡単にターゲットを絞ってマーケティングを行うことが出来ます。


1. 写真広告は最も一般的な広告で、画像の大きさは広告を作成する際に、正方形か長方形を選択できる仕組みになっていて、Webサイトへの誘導やアプリケーションのダウンロードを促すリンクを設定できます。

2. 動画広告は最大60秒の動画を投稿し音と共にターゲットに訴えることが出来ます。これも写真同様正方形か長方形かフォーマットを選べ仕組みになっています。

 
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(写真左:写真広告、写真右:動画広告 引用:Instagram Business)

3.カルーセル広告は、写真投稿をする際に一度の投稿で写真・動画を最大10枚組み合わせることができる広告で、写真・動画にそれぞれ別のリンクを付けることが可能です。スワイプで次の写真や動画を表示できるため、一度の広告で複数の商品を紹介したり、サービス、プロモーションを多角的に見せる事が可能です。

 
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4.ストーリー広告は、現在Instagramで最も注目を集めているマーケティングであり、3億のアカウントがInstagram Storiesを利用しています。Instagramによると、最も閲覧数が多いストーリー投稿の3件に1件はビジネスによる投稿で、ストーリー投稿の5件に1件は見た人から直接メッセージを受け取っています。ビジネスアカウントの半数以上がストーリー投稿を作成しています(2017年8月) 。ストーリー広告はフルスクリーン表示の縦長フォーマットを利用し、動画の再生数アップ、トラフィック、コンバージョン、アプリのインストール、ブランドの認知度アップなどを目的に広告のターゲットを設定できる機能で、スワイプアップすることでWeb サイトに誘導することも可能です。(写真引用:Instapage)

 
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最後に企業の活用例を見てみます。ニューヨークをベースとするフローズンヨーグルト店の16 Handlesは、店舗と友達になるとすぐにクーポン券が配布され、16% off, 50% off, or 100% off の3種類のクーポンが10秒しか表示されない為、10秒以内にキャッシャーに見せる必要がある、という広告を配信して話題を呼びました。来店した多くのお客様が、クーポン欲しさにその場でSnapchatでこの店と友達になる為、この広告を利用して多くの顧客を獲得することに成功しました。また次のクーポンが届いたとしても店舗内に居ないと10秒でクーポンが消えてしまう為、ワクワク期待させながらお客様を再来店させることにも成功しています。

若者向けファッションブランド「Rebecca Minkoff」が行った例は、ファッションショー前に新作の服や舞台裏を少しだけファンに見せるという広告を配信し、見た人の期待感を上昇させ、イベントを盛り上げることに成功させました。これもファッションショー前に服を見せるという驚くべき行動で話題を呼びました。このように「10秒しか見ることができない」広告によってターゲットをワクワクさせている事例が多く見られます。

 
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その他の事例として、写真広告のコカ・コーラ、フィラデルフィアと、ストーリー広告のSK-IIを挙げます。コカ・コーラはインドネシアでの成長拡大をねらい、15秒のキャンペーン向け動画を2本製作しました。動画にはインドネシア人を起用し、広告コピーには現地語であるBahasaを使用するなどローカライズされた広告で、広告の想起性が44ポイント、キーワード想起性は7ポイント上昇しました。

また、クリームチーズでおなじみのオーストラリアメーカーであるフィラデルフィアは商品のラインナップの一つである「Pourover」のイメージチェンジを目的に、Instagram広告を配信しました。楽しい形をしたクリームチーズや、夏をテーマにしたアイテム(サングラスなど) をかたどったクリームチーズの写真を配信しました。それにより、ブランド認知を高めることに成功し、「Pourover」と「楽しいおもてなしレシピ」の相関が強まり、前年同期に比べ、売上が41.8%アップしました。

 
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SK-IIは、Instagram Businessによると、SK-II ジェノプティクス オーラ エッセンス〈医薬部外品〉のブランド認知度を高めるにあたり、Instagramストーリーズ広告を使うことにしました。2週間のキャンペーン中、同社はFacebookとInstagramのニュースフィードのみの広告配置と、それに加えてInstagramストーリーズ広告も掲載する場合とをテストしました。ターゲットは18~54歳の日本人女性に幅広く設定し、Instagram Storiesとニュースフィードに掲載された広告は、18~44歳の女性層で広告想起率が大幅に上昇しました。このキャンペーンは、ターゲット層で24ポイントの広告想起率の上昇というすばらしいブランド効果を達成しました。

Instagramは広告費用が安くFacebook同様ターゲットを絞りやすいため、どの企業でもマーケティングできる場となっています。また、数多くのユーザーを抱え、課金対象となる表示時間や表示割合に基準を設けているため、効果が出やすいとこれまでの事例からも考えられます。

一方Snapchatは広告費用が高く、大企業向けのマーケティング場だといえます。またユーザーは広告をタップし0秒で飛ばしても広告費用がかかってしまう事など、まだまだ整備が必要な点が見られ、大きな効果は見出せないと考えられます。しかし10秒間という尺をクーポンコード等を用いて効果的に利用することによってアメリカでは成功している事例も見られます。

以上、Snapchat・Instagramを利用したマーケティング事例について、実際の企業の活用例を交えてお伝えいたしました。